エプサイトギャラリー/10月26日(水)まで
©️大西みつぐ
東京の荒川と旧江戸川に囲まれた臨海部で1980年代半ばから撮ってきた私のもう一つのスナップショットは、バブル、東日本大震災など大きな節目を経験するたびに、その都度、都市の波打ち際からの視点を少しづつ変化させてきました。2017年の写真展「なぎさの日々」(ふげん社)は、久しぶりに「人」を真正面から捉え、グローバリゼーション、インバウンドといった状況がここにも色濃く反映されてきたことを伝えるものでもありました。
あれからたった3年。「緊急事態宣言下」の臨海風景はガラリと変わり、とても空虚で殺伐とした空間の連なりが眼前に続くだけ。誰もがそうであったように、自分自身とそこで向かい合わざるを得ない時間ばかりとなりました。そこから生まれた言葉が「孤島」であったのですが、撮りためていくにつれ、一条の光も見え始めてきました。
孤島から島へ。「ここから」私たちの再生が始まるという淡い希望。ここは「大きな島」でもあるような。見失ってはいけないことやもの。そして人。ここから、いつの間にか70歳を迎える私のささやかな活力を。
大西みつぐ
(写真展案内より)
(作家プロフィール)
大西みつぐ(おおにし みつぐ)
1952年東京深川生まれ。東京綜合写真専門学校卒業。1970年代より東京下町や湾岸の人と風景、日本の懐かしい町を撮り続けている。写真集および著書に「下町純情カメラ」、「遠い夏」、「wonderland」、「川の流れる町で」など。個展、企画展多数。1985年「河口の町」で第22回太陽賞。1993年「遠い夏」ほかにより第18回木村伊兵衛写真賞。平成5年江戸川区文化奨励賞。2017年日本写真協会賞作家賞。2017年自主映画監督作品「小名木川物語」を公開。東京造形大学、武蔵野美術大学、関東学院大学、大阪芸術大学などで非常勤講師、客員教授を歴任。日本写真家協会会員、日本写真協会会員、ニッコールクラブアドバイザー、全日本写真連盟関東本部委員。
会場:エプサイトギャラリー(東京都千代田区丸の内3-4-1 新国際ビル1F)
会期:2022年9月17日(土)〜10月26日(水)(日曜休館/入場無料)
開催時間:11時00分から18時00分まで
*10月5日(水):大西氏の撮影術やスナップ写真を紐解くオンラインイベント(有料)を開催予定
https://www.epson.jp/showroom/marunouchi/epsite/gallery/
*最新の情報を掲載するよう心がけておりますが、ギャラリー等の都合により会期等が変更になっている場合があります。ギャラリーホームページなどでご確認のうえお出かけください。