本日初日! なぎら健壱写真展「偶然に出遭えること!」
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なぎら健壱写真展「偶然に出遭えること!」
KKAGギャラリー/7月23日(土)まで

©️なぎら健壱

「偶然に出遭えること!」

なぎら健壱
 

あたしがあたしの撮る写真に対しての考え方は、瞬間をとらえるということである。大仰に言わせてもらえば、千載一遇ということになろうか。その時カメラを持っていられたこと、またその瞬間にシャッターを押せたことに対して、「よし!」と自分を納得させることが出来る。


見事なシャッターチャンスがあったにも係わらず、カメラを持っていなかったことに対して悔しい思いをしたことが何回となくある。かえってそちらの方をいつまでも覚えていたりするものである。


三脚を立ててシャッターチャンスを何時間も我慢強く待つ人、お気に入りの写真が撮れるまで何十回とチャッターを切る人。どちらとも否定はしないが、あたしにはそうしたことが出来ない。何時間も粘ったところで、何回もシャッターを切ったところで——それも偶然であると言うならば、作られた偶然に過ぎない。そうした写真に〝生〟を感じないのである。


偶然は(瞬間は)作ろうと思っても作りようがなく、作為的に作ったとしたら作者が欺瞞をどのように考えるかにかかってくる。偶然はあくまで偶然なのである。


あたしの言わんとする偶然に出遭えることは、まず少ない。くどいようだが、その時カメラを持っていて、しかもシャッターを押せたこと、持論だが、写真はこれにつきると思っている。しかし偶然にはなかなか出遭えるものではない。

©️なぎら健壱

<作家プロフィール

なぎら 健壱(なぎら けんいち)
1952年東京銀座(旧・木挽町)に生まれ、以来、葛飾区、江東区など下町で育つ。フォークソングに傾倒し、1972年にファーストアルバム「万年床」を発表。これまでに10数枚のアルバムをリリースしている。カメラ歴は古く、写真集や写真を添えたエッセイ集等も上梓している。現在コンサート活動のほか、独特のキャラクターでテレビ、ラジオ、映画、ドラマの出演や、新聞、雑誌等の執筆でも活躍をしている。また、WEB(https://photoandculture-tokyo.com/)での連載〈遠ざかる町〉、「デジタルカメラ マガジン」誌に〈酒場の場景〉を連載中。

会場:KKAG(東京都千代田区東神田1-2-11アガタ竹澤ビル405)
会期:
2022年7月6日(水)〜7月23日(土)(水木金土オープン/入場無料)
時間:
15時00分から21時00分まで
http://kkag.jp

ホトグラ。編集部より
ご存知、なぎら健壱氏による写真展。身近な事象を丹念に捉えたシリアスな作品は見応えあるものです。可能なかぎり在廊するとのことですので、会場へ足を運んでみてはいかがでしょうか。

*最新の情報を掲載するよう心がけておりますが、ギャラリー等の都合により会期等が変更になっている場合があります。ギャラリーホームページなどでご確認のうえお出かけください。

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