「 オールドレンズファン必携! ソニーα用Dマウントアダプター 」
Text&Photo:伊藤浩一
シネレンズはオールドレンズの中でもプレミアな人気のあるレンズです。映画やニュースのムービーフィルムで使用されていたレンズをミラーレスカメラで利用することで、現代のレンズとは違った味わいのある描写を楽しむことができます。
シネレンズの種類としては、映画用の35mmフィルム用シネレンズ、ニュース・テレビ用の16mmフィルム用シネレンズ、家庭用の8mmフィルム用シネレンズがあります。35mm用、16mm用はプロユースの製品のため、入手するには高価になっていますが、8mmフィルム用は比較的に安価に入手が可能です。なお、8mmフィルムカメラ用のレンズは、Dマウントと呼ばれるねじ込み式のマウントが一般的になっています。
Dマウントのレンズ3本をターレットに装着した8mmムービーカメラ
このDマウントレンズをミラーレスカメラで利用するのは、難しい問題があります。センサーまでのフランジバックが短く、ミラーレスカメラで利用すると、近接のみの撮影になってしまいます。Dマウントレンズで無限遠の撮影をするためには、フランジバックが短いミラーレスカメラであるPENTAX Qシリーズを使う方法がありましたが、残念ながらPENTAX Qシリーズの新機種リリースは現在なく、Dマウントレンズを利用するのが難しい環境になっていました。
PENTAX Qシリーズ「Q10」。レンズはDマウントの「ZEIKA 38mm F1.4」
活用が難しくなっていたDマウントレンズですが、mukカメラサービスより、フルサイズミラーレスのソニーαシリーズのEマウントに変換するマウントアダプターのリリースがありました。フランジバック問題を、マウントアダプターをセンサーギリギリまで沈める構造により、Eマウントで利用できるようにした画期的なマウントアダプターです。
mukカメラサービス「D-ソニーEマウントアダプター」
https://blog.monouri.net/archives/52528416.html
こちらの製品を購入して、実際に活用した例を紹介します。
マウントアダプターにDマウントレンズをねじ込んでマウントさせます。マウントアダプターは深く沈んでいる構造のため、カメラのセンサーぎりぎりの位置となりますので、装着には注意します。なお、Dマウントレンズを沈めてマウントさせる構造のため、レンズのマウント部分が太いレンズは、マウントアダプターに装着することができません。また、ソニーのフルサイズミラーレス用となっており、APS-Cミラーレスではカメラのマウント内部が干渉する可能性があります。
mukカメラサービス製 「D-ソニーEマウントアダプター」
「D-ソニーEマウントアダプター」を使いソニー「α7c」に「ZEIKA 38mm F1.4」を装着した状態
Dマウントレンズは、フランジバックの短さに加えて、イメージサークルが小さくなります。そのため、ソニーαシリーズで利用するには、APS-Cモードにして、さらにデジタルズームをすることで、撮影が可能になります。
デジタルズームを高倍率にすると、解像度が下がってしまうため、なるべく倍率を下げたいところです。Dマウントレンズは、広角の6.5mm、標準の13mm、望遠の38mmが一般的な焦点距離の種類となりますが、この中で、38mmレンズはイメージサークルが比較的に大きく、ソニーαシリーズで使いやすくなります。
「ZEIKA 38mm F1.4」で使用したところ、APS-Cモード(1.5倍)、デジタルズーム1.4倍にして、80mm相当で撮影が可能となりました。
「D-ソニーEマウントアダプター」でDマウントレンズを利用できるようになりました。Dマウントレンズは、従来の8mmフィルムのフォーマットサイズを超えた部分を使うと、グルグルボケが発生しやすく、現代のレンズとは違う描写を楽しむことができます。オールドレンズ活用の手段として、mukカメラサービス「D-ソニーEマウントアダプター」はお勧めです。
<作例>
「ZEIKA 38mm F1.4」の作例
「ZEIKA 38mm F1.4」の作例
著者プロフィール
伊藤浩一(いとうこういち)
モバイル情報ブロガー。ブログ「伊藤浩一のWindows Phone応援団(旧W-ZERO3応援団)」主宰。モバイルユーザーとしてレビューを毎日掲載しながら、日本のスマートフォンシーンの盛り上げを行い、アクセス数は月間30万を超えるブログとなっている。このサイトでは、モバイル情報以外に、所有する300本以上のオールドレンズの作例も紹介している。
https://blog.itokoichi.com