ソニーイメージングギャラリー銀座/本日まで
©️山下恒夫
「田園都市」というのは1898年にイギリスのエベネザー・ハワードが提唱した新しい都市形態GARDEN CITYの概念が日本に取り入られた際に和訳された言葉です。東京では渋沢栄一が1918年に設立した田園都市株式会社が洗足田園都市を開発したのが始まりです。鉄道子会社も設立し、一時間以内に都心の職場に通える大都市付属の住宅地という位置づけでした。その鉄道会社は後に東京急行電鉄となり、1959年から40年以上にわたり田園都市線梶が谷駅から中央林間駅に至る多摩田園都市を開発する主導となります。
私が大学生だった1982年、沿線の鷺沼駅近くに住むことになり、日々変化してゆく自宅周辺の様子を撮影していました。ちょうど隣のたまプラーザ駅周辺の住宅地が「金妻」という言葉で注目された頃です。丘が削られ、新しい道路が通り、地下鉄が開通して大型ショッピングセンターの周囲に新しい街ができました。
今年になって再び沿線を歩いてみました。初期に開発された地域は少し色褪せた街並みとなり、未利用で残されていた丘陵地の斜面では今も新しい住宅の建設が行われています。磨き上げられた車がガレージに収まった瀟洒な家々と農村の面影を残した風景が共存するこの街を我が故郷として撮影しました。
山下恒夫
(写真展案内より)
(作家プロフィール)
山下恒夫(やました つねお)
1961年東京都出身
1984年日本大学芸術学部写真学科卒業
主な写真展
1980年 高校日記 キヤノンサロン 銀座、広島
2001年 島の時間 コニカプラザ
2009年 もうひとつの島の時間 ギャラリー冬青
2016年 日々III エプサイトギャラリー
2017年 15歳の日々 Roonee 247 fine arts
2020年 多摩川のほとりで キヤノンギャラリー銀座
2022年 七月の応援席 OMシステムプラザ
写真集
「島の時間」クレオ
「もうひとつの島の時間」冬青社
「島想い」私家版
会場:ソニーイメージングギャラリー銀座(東京都中央区銀座5-8-1 銀座プレイス6階)
会期:2022年10月7日(金)から10月20日(木)まで
開催時間:11時00分から19時00分まで(当面の間18時に閉館/入場無料)
https://www.sony.co.jp/united/imaging/gallery/
*最新の情報を掲載するよう心がけておりますが、ギャラリー等の都合により会期等が変更になっている場合があります。ギャラリーホームページなどでご確認のうえお出かけください。