Place M/本日まで
©️栁澤ユカ
光は僕の全てだった。
Mが死んだ。
Mは必然的に訪れる死を待つことに耐えられず、先手を打った。
“不条理な世界は生きるに値しない”
そう常に嘆いていたMの訃報は、私に悲しみよりも動揺を与えた。何故なら、死も生と同様に無意味であること、そして私も心の何処かでMと同じ終焉を望んでいることが露呈したからだ。
まさしく、世界は不条理だ。
インドにいると、尚更そう感じる。
世界が不条理であるが故に不条理な世界のために生きることは、もっと不条理だ。
ある意味、宗教を盲信し理想に生きることは不条理に“抗う”ことなのかもしれない。
忍び寄る死と常に対峙し、無限に繰り返す人生からの解脱を願うヒンドゥー教徒。
クンブメーラの興奮と熱狂の中、ガンジス河畔に押し寄せる群衆にそれを感じた。
だけど、それが何なの?
(写真展案内より)
(作家プロフィール)
栁澤ユカ(やなぎさわ ゆか)
東京都生まれ。
成城大学 文芸部芸術学科卒業
桑沢デザイン研究所 デザイン専攻科ファッションデザインコース卒業
世界各地の貧困や孤立の中で生きる人々の”日常の生活”を主題に撮影している。
個展:ピクトリコギャラリー"Kumbh Mela 〜群衆の中の孤独〜"(2019)
会場:フォトギャラリー Place M(東京都新宿区新宿1-2-11 近代ビル3F)
会期:2022年10月10日(月)〜10月16日(日)(年中無休/入場無料)
開催時間:12時00分から19時00分まで
https://www.placem.com
*最新の情報を掲載するよう心がけておりますが、ギャラリー等の都合により会期等が変更になっている場合があります。ギャラリーホームページなどでご確認のうえお出かけください。