「 iPhoneでDマウントレンズが使える『D on iPhoneアダプター』」
Text&Photo:伊藤浩一
デジタルミラーレスカメラは、フィルムカメラで使われてたレンズ(通称、オールドレンズ)をマウントアダプター経由で利用することができます。オールドレンズは、現代のレンズとは違った味のある描写が可能なため、新しい写真の楽しみ方として若い世代にも注目されています。
オールドレンズの中で活用の難しいレンズがあります。8ミリムービーカメラで使われていたDマウントレンズです。センサーまでのフランジバッグが短く、カバーできるイメージサークルが狭いため、PENTAX Qシリーズで活用する方法くらいしかありませんでした。
このDマウントレンズをiPhoneで利用できるアダプターをmukカメラサービス(https://blog.monouri.net)がリリースしました。「D on iPhoneアダプター」です。
D on iPhoneアダプター、iPhone 13 mini(Quad Lockスマートフォンケース)、DマウントレンズSWITAR 13mm F0.9
組み合わせてマウントした例
仕組みとしては、マウントアダプター内にリレーレンズが組み込まれており、Dマウントレンズを通して結像した画像をiPhoneカメラアプリで撮影する仕組みになっています。結像した画像は上下反転しますので、上下反転を戻すことができるカメラアプリ「ProCamera」の使用が推奨されています。また、マウントアダプターのマウント部分は、Quad Lockマウントになっており、Quad Lockスマートフォンケースを別途用意する必要があります。
iPhone 13 miniとアプリProCameaで写すと、まわりがけられた状態になりますので、デジタルズームにて2倍程度にします。なお、3眼仕様のiPhone 12 Proなどでは、望遠レンズを利用することでけられない状態で撮影が可能です。
組み合わせてマウントした例
デジタルズーム1.8倍にした例
使い方としては、レンズを無限遠に合わせて、アプリProCameraのオートフォーカスにて撮影が可能です。また、アプリでマニュアルフォーカスも使えますので、近接撮影はマニュアル撮影が利用できます。
以下作例です。Cine-NIKKOR 13mm F1.9では、周辺が大きく暴れますので、ドリーミーな写真になりました。
Cine-NIKKOR 13mm F1.9とD on iPhoneアダプター
Cine-NIKKOR 13mm F1.9とD on iPhoneアダプターの作例(iPhone 13 mini、アプリProCameraにて撮影)
CANON C-8 13mm F1.8、KOWA Prominar Anamorphic-8とD on iPhoneアダプター
CANON C-8 13mm F1.8、KOWA Prominar Anamorphic-8とD on iPhoneアダプターの作例(iPhone 13 mini、アプリProCameraにて撮影)
「D on iPhoneアダプター」は、スマートフォンの機種毎に作成が必要となっており、現在はiPhone 12 Pro用とiPhone 13 mini用が用意されています。mukカメラサービスでは、利用しているスマートフォンに合わせて作成する相談を受け付けていますので、お問い合わせください。筆者の場合は、iPhone 13 miniとQuad Lockケースを数日預けて作成していただきました。
Dマウントレンズ-iPhone光学リレー式アダプター 自家製3Dプリントプロジェクト
https://blog.monouri.net/archives/d_on_iphone.html
iPhoneでDマウントレンズによる撮影は楽しい体験です。オールドレンズを活用されているユーザーの方は是非チャレンジしてみてください。
著者プロフィール
伊藤浩一(いとうこういち)
モバイル情報ブロガー。ブログ「伊藤浩一のWindows Phone応援団(旧W-ZERO3応援団)」主宰。モバイルユーザーとしてレビューを毎日掲載しながら、日本のスマートフォンシーンの盛り上げを行い、アクセス数は月間30万を超えるブログとなっている。このサイトでは、モバイル情報以外に、所有する300本以上のオールドレンズの作例も紹介している。
https://blog.itokoichi.com