《ホトグラ。インタビューシリーズ第三回》 ロカユニバーサルデザイン株式会社 伊藤公彦社長に訊く「KANIフィルター、凄さの秘密」

聞き手:大浦タケシ
Photo:編集部

KANIフィルターの主軸である角形フィルターとホルダー。フィルターは高品質のショットガラスを用いる

カメラの主流がフィルムからデジタルへとなり、人気のアクセサリーも様変わりしてきた。特に光学フィルターに目を移すと、ゼラチンフィルターをはじめカラーバランス調整用のフィルターに代わり、フィルターの半分だけND効果の得られるような角形フィルターの存在感が増している。それはこの数年特に顕著であるとともに、今まで聞いたことのなかったブランド・メーカーが台頭していることも注目点である。現在多くのプロや写真愛好家から熱狂的な支持を受ける「KANIフィルター」もそのような新興フィルターブランドのひとつ。ホトグラ編集部では、日本代理店であるロカユニバーサルデザイン株式会社社長 伊藤公彦さんにその凄さと人気の秘密をお訊きした。

ロカユニバーサルデザイン株式会社 伊藤公彦社長。同社ショールームにて撮影

『ビジネスマン時代に出会ったKANIフィルター』

伊藤社長がKANIフィルターを扱うようになった始まりは、ビジネスマン時代に遡る。名前は控えさえていただくが、国内での人気が一、二位を争う三脚メーカーに在職され、中国で製造管理などの職に就かれていたときのことである。

「風景撮影を楽しむ地元の写真愛好家のグループに入り、休みの日は撮影を楽しんでいました。その繋がりでKANIフィルターの社長と知り合い、使ってみてほしいと角形フィルターを渡されたのがきっかけです。ただ当時は、角形フィルターと言うと、青かぶりすごく強く使えないものが多かったので、結果を見るまでどんなものだろうとちょっと疑うところもありました」

もっとも品質の高い角形フィルターを探していた伊藤社長にとって、KANIフィルター社長の申し出は渡に船でもあった。果たして、その結果は。

「これは最高だな、これは絶対日本で売れると思いました。色かぶりが少なくニュートラルであり、シャープネスをはじめとする画質の低下なども見受けられません。当時角形フィルターはアクリル製が多かったのですが、キズのつきにくく平面性の高いガラス製というのも魅力でした。早速勤めていた三脚メーカーに取り扱うよう打診したことは言うまでもありません」

三脚メーカーに勤めていたころの伊藤公彦社長(ロカユニバーサルデザイン提供)

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