【コラム】新宿御苑の桜 浅野正美(諏訪写真機店主)
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Text&Photo:浅野正美

初めまして。東京新宿でちっぽけな中古カメラ店「諏訪写真機」を営む浅野正美と申します。折々の何気ない思いの断片など、気ままに書いてみたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

新宿には新宿御苑という広大な(面積58ha)庭園がありまして、春は桜の名所としてにぎわいます。聞くところによりますと、苑内には68種 約1300本の桜があるということで、早春の寒桜から染井吉野が終わっても今度は色んな八重桜が咲き乱れ、一カ月以上も花が楽しめるのも大きな魅力となっています。

この地は元々信州高遠藩の江戸中屋敷でありまして、それがいま国民公園として一般に公開されるようになりました。そんなゆかりから、新宿区と長野県伊那市(旧高遠町)は姉妹都市として親交を結んでおりまして、天下一の桜として名高い高遠城址公園に咲く高遠小彼岸桜が苑内にも移植され、毎年美しい花を咲かせています。染井吉野よりも少し早く咲き、花びらはやや小振りで、ピンクの濃いのが特徴となっています。

写真は江戸時代に造営された日本庭園にある玉藻池(たまもいけ)の湖畔に立つ大樹で、石灯籠と水面の眺めと相まって、写真撮影の代表的なポイントとなっています。コロナ過で気分のすぐれない日々が続いていますが、日本人が愛してやまない桜は、今年も美しく咲き誇ってくれました。桜の花を見ると、元気をもらえますね。

浅野正美
2020年より新宿御苑近くで中古カメラ店「諏訪写真機」を営む。大の本好きで、なかでも三島由紀夫に関する造詣は深い。
https://suwashashinki.com/

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